舌癌(口腔がん)

舌癌(口腔がん)とは

舌癌(口腔がん)とは

舌癌は、舌に発症する悪性腫瘍です。口腔がんの一種で、口の中にできるがんの中では最も頻度が高く、口腔がん全体の約40〜50%を占めます。特に舌の側面にできることが多く、舌の先端や裏側にもできることがあります。

口腔がんは、舌癌以外にも、歯茎、頬の内側の粘膜、口の底、上顎、唇など、口の中のさまざまな部位に発症します。これらを総称して口腔がんと呼びます。口腔がんの多くは、扁平上皮癌という種類で、粘膜の表面を覆う扁平上皮細胞から発生します。

舌癌や口腔がんは、早期に発見すれば治療成績が良好ながんです。ステージⅠやⅡの早期であれば、5年生存率は80〜90%以上とされています。しかし、進行すると治療が難しくなり、発声や嚥下、審美面にも大きな影響を及ぼします。そのため、早期発見が極めて重要です。

口腔がんは、自分で見たり触ったりして確認できる数少ないがんの一つです。しかし、初期症状が口内炎と似ているため、見過ごされやすいという問題があります。実際に、口腔がんと診断された患者様の多くが、当初は口内炎だと思っていたと話されます。

近年、口腔がんの患者数は増加傾向にあり、特に高齢化に伴って今後さらに増えることが予想されています。

舌癌の症状

舌癌の症状

初期症状

初期の舌癌は、症状がはっきりしないことが多く、口内炎と見分けがつきにくいのが特徴です。舌に小さな潰瘍やただれができる、白い斑点や赤い斑点ができる、舌の一部が硬くなる、しこりができる、なかなか治らない口内炎がある、舌がヒリヒリする、ピリピリするといった症状がある場合は注意が必要です。

初期の段階では、痛みがないことも多いです。そのため、「痛くないから大丈夫」と判断するのは危険です。痛みのないしこりや潰瘍こそ、注意が必要な場合があります。

進行した場合の症状

がんが進行すると、持続する痛み、出血しやすい、腫瘤(しこり)が大きくなる、舌の動きが悪くなる、しゃべりにくい、飲み込みにくい、首のリンパ節が腫れる、口臭が強くなるといった症状が現れます。

これらの症状が出ている場合は、すでにある程度進行している可能性があります。できるだけ早く専門医療機関を受診する必要があります。

口腔がんが発症しやすい部位

口腔がんが発症しやすい部位

舌(舌癌)

口腔がんの中で最も多く、特に舌の側面にできやすいです。舌先、舌の裏側にもできることがあります。

歯茎(歯肉癌)

上顎や下顎の歯茎にできるがんです。入れ歯が当たる部分や、歯周病が進行している部位に発症することがあります。

頬粘膜(頬粘膜癌)

頬の内側の粘膜にできるがんです。噛み癖がある部位や、尖った歯が当たる部位に発症しやすい傾向があります。

口腔底(口腔底癌)

舌の下、下顎の内側にある粘膜にできるがんです。舌と歯茎の間の部分で、見えにくい場所にあるため、発見が遅れやすいです。

硬口蓋(硬口蓋癌)

上顎の天井部分にできるがんです。比較的まれですが、喫煙や飲酒との関連が指摘されています。

口唇(口唇癌)

唇にできるがんで、特に下唇に多く発症します。日光への長期的な曝露が関与することがあります。

舌癌・口腔がんの原因とリスク要因

舌癌・口腔がんの原因とリスク要因

喫煙

喫煙は口腔がんの最も大きな原因の一つです。タバコに含まれる発がん性物質が、口腔粘膜に直接作用します。喫煙者は非喫煙者に比べて、口腔がんの発症リスクが約7倍高いとされています。

飲酒

大量の飲酒も口腔がんのリスクを高めます。特に、喫煙と飲酒の両方を行う場合、リスクは相乗的に高まり、非喫煙・非飲酒者の数十倍になるとも言われています。

慢性的な刺激

尖った歯や合わない入れ歯が粘膜に繰り返し当たることで、慢性的な刺激が加わり、がん化につながることがあります。また、頬を噛む癖なども慢性刺激の原因になります。

口腔衛生状態の悪化

歯磨きが不十分で口腔内が不潔な状態が続くと、口腔がんのリスクが高まります。虫歯や歯周病を放置することも良くありません。

加齢

口腔がんは50歳以降に増加し、60〜70代がピークです。ただし、近年は若年層の発症も増えています。

早期発見の重要性

早期発見の重要性

口腔がんは、早期に発見すれば治る可能性が非常に高いがんです。ステージⅠやⅡの早期であれば、5年生存率は80〜90%以上で、治療後の機能障害も少なくて済みます。

しかし、進行してから発見されると、治療は難しくなります。ステージⅢやⅣになると、5年生存率は50%以下に低下します。また、治療による後遺症として、発声や嚥下の障害、顔貌の変化などが残ることがあります。

早期の口腔がんは、比較的小さな手術で切除でき、機能や見た目への影響を最小限に抑えられます。一方、進行がんでは大きな切除が必要になり、舌や顎の一部を失ったり、放射線治療や化学療法が必要になったりします。

早期発見のためには、定期的なセルフチェックで月に一度は自分で口の中を確認すること、2週間以上治らない異常は受診すること、口内炎だと思っても2〜3週間治らない場合は必ず受診すること、定期的な歯科健診を受けること、禁煙や節酒、口の中の清潔さを保つことなどが重要です。

セルフチェック方法

セルフチェック方法

チェックポイント

唇の内側と外側を見て、色の変化、しこり、ただれがないか確認します。頬の内側は、指で粘膜を引っ張って、白い斑点、赤い斑点、潰瘍がないか見てください。上下の歯茎には、腫れ、色の変化、しこりがないか確認しましょう。

舌は前に出して、上面、側面、裏側を見ます。しこり、ただれ、色の変化がないか確認してください。口の底は、舌を上に持ち上げて、舌の下の部分を確認します。上顎は、口を大きく開けて、天井部分を確認しましょう。最後に、首を触って、リンパ節の腫れがないか確認します。

注意すべき症状

2週間以上治らない口内炎、痛みのないしこりや潰瘍、白い斑点や赤い斑点、出血しやすい部分、感覚の異常(しびれ、ヒリヒリ感)、原因不明で歯がぐらぐらするなどの症状がある場合は、すぐに歯科医院または専門医療機関を受診してください。

当院での舌癌・口腔がん検査における特徴

豊富な診断経験

当院は口腔がんの症例経験が豊富です。そのため、口腔内に異常が見られた場合、それががんの可能性があるかどうかを的確に判断できます。早期発見には、経験に基づく観察眼が重要です。

視診・触診による詳細な検査

口腔内を丁寧に視診し、疑わしい部分があれば触診も行います。病変の大きさ、硬さ、周囲との境界、可動性などを確認し、悪性の可能性を評価します。

歯科用CTによる検査

硬組織(骨)への浸潤が疑われる場合は、歯科用CTで詳しく検査します。がんが顎の骨に広がっているかどうか、リンパ節に転移している可能性があるかなどを確認します。

迅速な専門医療機関への紹介

口腔がんが疑われる場合は、速やかに大阪大学歯学部附属病院の口腔外科へご紹介します。当院には大学病院との密接な連携体制があり、スムーズに精密検査や専門的な治療を受けていただけます。

早期発見・早期治療のために、当院での初期チェックから大学病院での専門的な診断・治療まで、切れ目のない医療を提供できる体制を整えています。

予防のためにできること

予防のためにできること

禁煙

喫煙は口腔がんの最大のリスク要因です。禁煙することで、リスクを大幅に下げられます。禁煙後、時間が経つにつれてリスクは低下していきます。

適度なお酒の量を心がける

大量の飲酒を避け、適度な量に抑えましょう。特に、喫煙と飲酒を同時に行うことは避けるべきです。

口腔衛生の維持

毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科健診により、口腔内を清潔に保ちましょう。虫歯や歯周病があれば、早めに治療を受けてください。

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慢性刺激の除去

尖った歯や合わない入れ歯があれば、早めに治療や調整を受けましょう。頬を噛む癖がある方は、意識して改善するよう心がけてください。

バランスの良い食生活

ビタミンや抗酸化物質を多く含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう。栄養バランスの良い食事は、がん予防に役立ちます。

定期的なセルフチェック

月に一度は自分で口の中をチェックし、異常がないか確認しましょう。

定期健診

歯科医院での定期健診を受けることで、口腔がんの早期発見につながることがあります。当院では、定期健診の際にも口腔内全体を観察し、異常がないかチェックしています。

よくある質問

口内炎と口腔がんの見分け方は?
口内炎は通常、1〜2週間で自然に治ります。2〜3週間経っても治らない場合や、徐々に大きくなる場合は、口腔がんの可能性があります。また、口内炎は通常痛みを伴いますが、初期の口腔がんは痛みがないこともあります。
痛みがなくても受診すべきですか?
はい。痛みのないしこりや潰瘍こそ、注意が必要です。気になる症状があれば、痛みの有無に関わらず受診してください。
若い人でも口腔がんになりますか?
口腔がんは中高年に多いですが、若年層でも発症することがあります。近年は、HPV感染に関連した若年層の口腔がんも増えています。年齢に関わらず、異常を感じたら受診してください。
口腔がんは遺伝しますか?
口腔がん自体が直接遺伝することはまれですが、がんになりやすい体質は遺伝する可能性があります。家族に口腔がんの方がいる場合は、より注意深く検診を受けることをおすすめします。
どのくらいの頻度で検診を受けるべきですか?
一般的には、年に1〜2回の歯科健診をおすすめします。喫煙や大量飲酒の習慣がある方、過去に口腔がんや前がん病変の治療を受けた方は、より頻繁に検診を受けることをおすすめします。

難波駅からアクセスの良い丸谷歯科医院では、豊富な診断経験と歯科用CTを活用し、口腔がんの早期発見に努めています。舌や口の中に気になる症状がある方、なかなか治らない口内炎がある方は、ぜひお早めにご相談ください。